皮膚の科学
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9 巻 , 6 号
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研究
症例
  • 辻花 光次郎, 松村 由美, 中嶋 千沙, 加藤 真弓, 是枝 哲, 宮地 良樹, 十一 英子
    2010 年 9 巻 6 号 p. 526-531
    発行日: 2010年
    公開日: 2011/12/26
    ジャーナル 認証あり
    78歳,男性。5年前に発熱,呼吸困難を伴う肺炎,痒みを伴う皮疹を生じ,ステロイド内服を開始した。以後ステロイド減量により紅斑を再燃する経過を繰り返し,そのために5年来ステロイドを服用していた。悪性腫瘍の合併は認めなかった。前医でも薬疹が疑われたが患者の申告では内服薬はないとのことであり,皮疹の精査を目的に当科に紹介された。当院受診後,フルバスタチンがかかりつけ医で処方されていた事が判明した。処方した医師に問い合せ,7年前からの処方が判明した。フルバスタチン中止後,皮疹は2週間以内に消失し,以後9ヶ月間再燃はない。しかし,CT 上間質性肺炎の所見は残存している。フルバスタチンにより誘発された薬疹と肺炎と考えた。薬剤内服後2年後の発症であった点,再燃時にもステロイド内服中止から再発までしばらくの期間を要する点からアレルギー性の薬疹にしては非典型的である。(皮膚の科学,9: 526-531, 2010)
  • 藤原 美智子, 黒川 晃夫, 大津 詩子, 森脇 真一, 塗 隆志
    2010 年 9 巻 6 号 p. 532-535
    発行日: 2010年
    公開日: 2011/12/26
    ジャーナル 認証あり
    33歳,女性。生下時より左手掌の手関節部近傍に黒色の皮疹が存在していた。平成21年9月に第1子を出産した際,妊娠中から皮疹が拡大,隆起してきたため同年10月,当科を受診した。初診時,左手掌から手関節部にかけて径 1.8×1.2cm で黒褐色調,隆起性,軽度の染み出しを伴った腫瘤を認めた。臨床像,ダーモスコピー所見から悪性黒色腫が否定できず全身麻酔下に全摘出術を施行した。病理組織像では表皮下層から真皮内に円形ないし類円形の母斑細胞が胞巣を形成して存在しており,核の異型性は軽度であった。以上より本症例を母斑細胞母斑と診断した。本症例における母斑の増大には妊娠,出産に伴う性ホルモンの関与が示唆された。(皮膚の科学,9: 532-535, 2010)
  • 成田 智彦, 吉永 英司, 大磯 直毅, 川原 繁, 川田 暁
    2010 年 9 巻 6 号 p. 536-540
    発行日: 2010年
    公開日: 2011/12/26
    ジャーナル 認証あり
    55歳,男性。2005年4月に胸水の原因精査のため胸腔鏡検査を受けドレーンを挿入した。同年8月経皮的胸膜生検にて悪性胸膜中皮腫と診断され,当院腫瘍内科で治療を開始した。2006年2月右側胸部の皮下硬結を自覚し,徐々に増大し疼痛を伴ったため,同年8月受診した。切除標本の病理組織所見で悪性胸膜中皮腫の皮膚浸潤と診断し,局所麻酔下に拡大切除した。胸腔鏡検査の刺入部近傍に腫瘍細胞が浸潤・増殖していたことから,同検査で腫瘍細胞が播種された可能性が考えられた。(皮膚の科学,9: 536-540, 2010)
  • 高田 香織, 飯塚 香織, 澤本 学, 熊本 貴之, 磯貝 理恵子, 山田 秀和
    2010 年 9 巻 6 号 p. 541-544
    発行日: 2010年
    公開日: 2011/12/26
    ジャーナル 認証あり
    29歳,男性。初診の2ヶ月前から上肢に痒みを伴う皮疹が出現し,徐々に拡大してきたため当院を受診した。6ヶ月前からチンチラを飼い始め,同じ頃にチンチラに脱毛斑が出現した。左前腕に母指頭大の鱗屑を伴った紅斑および丘疹が見られ,KOH 直接鏡検にて真菌陽性,体部白癬と診断した。スライド培養では円形の小分生子があり,ぶどう状を呈していた。また,らせん器官も認めたため分離菌を Trichophyton mentagrophytes と同定した。PCR 法では Arthroderma vanbreuseghemii と同定された。チンチラも動物病院を受診し,鏡検にて白癬と診断された。治療はテルビナフィン外用にて皮疹の軽快を認めた。今後チンチラを含めたげっ歯類の飼育の増加に伴ない真菌感染が増加することが考えられる。(皮膚の科学,9: 541-544, 2010)
第15~16回これからの皮膚科診療を考える会より
  • 宮崎 孝夫
    2010 年 9 巻 6 号 p. 545-547
    発行日: 2010年
    公開日: 2011/12/26
    ジャーナル 認証あり
    2008年に発足された日本皮膚科学会認定美容皮膚科・レーザー指導専門医の制度についての実情と,受験希望者に対して具体的な内容を記載した。認定試験の問題や口頭試問の内容は難解ではないと思われるが,受験資格を得るためには,かなりの努力が必要である事を述べた。受験する,しないに関らず,美容皮膚科診療をおこなうには,日頃より日本皮膚科学会ホームページの専門医制度日本皮膚科学会認定美容皮膚科・レーザー指導専門医制度規則施行細則に記載されている修練指針に沿った診療をおこなうことが重要と思われる。(皮膚の科学,9: 545-547, 2010)
  • 北野 幸恵
    2010 年 9 巻 6 号 p. 548-553
    発行日: 2010年
    公開日: 2011/12/26
    ジャーナル 認証あり
    ざ瘡後陥凹性瘢痕は,治療困難な疾患の1つである。高濃度トリクロロ酢酸 (TCA) を陥凹1つ1つに塗る高濃度 TCA 法は,真皮網状層までの壊死に引き続く創傷治癒を利用して陥凹を盛り上げる治療法である。高濃度 TCA 法は,deep boxcar type と icepick type の陥凹に対する有効性が高い。本手法は,正常皮膚に影響を及ぼさずに治療を行うことができ,日常診療に取り入れやすい治療法である。(皮膚の科学,9: 548-553, 2010)
  • 森田 栄伸
    2010 年 9 巻 6 号 p. 554-558
    発行日: 2010年
    公開日: 2011/12/26
    ジャーナル 認証あり
    蕁麻疹は日常診療上比較的よくみられる皮膚疾患であり,一過性に出没する膨疹を確認すればその診断はそれほど難しくない。しかし,一口に蕁麻疹といってもその病型・病態は多様である。ここでは,蕁麻疹の診療上のポイントと題して,蕁麻疹の病型と臨床的特徴,食物が原因となる蕁麻疹の診療上の注意点,慢性蕁麻疹患者における臨床検査の意義,蕁麻疹に対する効果的な薬物療法について概説した。(皮膚の科学,9: 554-558, 2010)
  • 森田 栄伸
    2010 年 9 巻 6 号 p. 559-562
    発行日: 2010年
    公開日: 2011/12/26
    ジャーナル 認証あり
    蕁麻疹の誘因は様々である。運動が誘因となる病型に食物依存性運動誘発アナフィラキシーとコリン性蕁麻疹がある。前者は原因食物摂取後に運動負荷で蕁麻疹が誘発される。この場合運動誘発の機序は主として食物抗原の吸収促進によることが明らかになった。一方,後者では運動に際しての発汗が誘因と考えられ,多くの症例で汗による皮内テストが陽性となる。コリン性蕁麻疹では時に乏汗症を示す症例があり,この場合は汗抗原が組織へ漏出し,肥満細胞を活性化するためと理解される。(皮膚の科学,9: 559-562, 2010)
  • 橋本 健
    2010 年 9 巻 6 号 p. 563-567
    発行日: 2010年
    公開日: 2011/12/26
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    昨年10月に手塚正名誉教授より本講演の依頼を受けた時,オバマ改革は早急に実現するものと思われた。しかし実際は3月18日の講演当日になっても上院は一応通過したものの下院で必要とされる1/3の票を未だ集めるのに到っていなかった。共和党の反対は理解できるが与党の民主党からも反対が出て手こずっていた。3月22日にやっと下院を7票の僅差で通過したが,まだ上院とのすり合わせが残っている。さらに反対法案の提出や州政府の反対も実際に起こりつつある。屡々アメリカの後を追う日本の官僚や政治家が,この改革案を読めば,現状が如何にひどいか分かるはずであるが,健保の商業化,HMO,primary care など,アメリカで失敗したシステムを輸入しようとした連中を監視する必要がある。以下オバマ氏の演説を骨子として,改革の概要をまとめた。(皮膚の科学,9: 563-567, 2010)
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