皮膚
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太陽紫外線の実測に基づく色素性乾皮症患者の最小紅斑時間の推定
佐藤 健二池永 満生青木 敏之佐野 栄春
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1984 年 26 巻 3 号 p. 501-509

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抄録

種々の気象条件下の太陽光によって, 色素性乾皮症 (XP) 患者の皮膚に最小紅斑が生じるに要する時間 (最小紅斑時間) を明らかにする目的で, 305/365紫外線強度計 (エーザイ) を用い, 大阪地方の太陽紫外線線量率の通年変動・日内変動などを測定した. このデータと東京都田無市における分光太陽紫外線線量率およびXP患者の最小紅斑量とから, 最小紅斑時間を計算し得る式を導いた. 我々の測定データとこの式とを用いれば, たとえば, 平均的な晴れた夏の正午におけるXP患者の最小紅斑時間は1分弱で, 雨では5分弱であり, 晴れた冬の正午では2分弱で, 雨では約30分であることを推定できる.

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© 日本皮膚科学会大阪地方会
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