皮膚
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皮膚科領域におけるAモード法超音波診断の利用
須貝 哲郎三谷 てるみ
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1989 年 31 巻 2 号 p. 161-171

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抄録

Dermascan A (Cortex Technology, Denmark) を用いて, 15MHz超音波パルス波によるAモード測定を健常人頬骨部皮膚および各種腫瘤に試み, 次の結果をえた。(1) Dermascan A音速1,580m/secにおける測定で, 皮面から真皮皮下織境界までの厚さを知りうることを確認した。(2) 軟骨あるいは骨による反射波, ときには腱や筋層からの反射波も検出しうる。(3) 角化性腫瘤では角層の厚さを検出しうることが多い。(4) マルピギー層は反射波がない。(5) 均一な腫瘍や細胞浸潤では正常皮膚での反射波消失からその厚さを推定しうる。(6) 表皮嚢腫壁からの反射波は前面後面とも認められ, 嚢腫内からの反射はない。

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© 日本皮膚科学会大阪地方会
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