44歳, 女性の原発性胆汁性肝硬変に, 手指硬化症, Raynand現象, 食道の拡張と蠕動運動の低下, 手, 顔面の血管腫状のtelangiectasiaおよびcalcinosis cutisなどの症状を示す完全型CREST症候群を合併した1例を報告した。躯幹, 四肢に汎発性限局性強皮症を思わせる硬化性紅斑が認められたが, 典型的なlilac ringは伴わず, 永年消長をくり返した。抗セントロメア抗体, 抗ミトコンドリア抗体陽性, Ig M高値。皮膚の組織像で表皮は一部acanthosis, 基底細胞でのメラニンの増生, 浮腫性変化, 表皮下層にヒアリン小体もみられ, 真皮膠原線維の結節状の増生を伴ったが, 汗腺, 毛嚢の減少は認められなかった。
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