皮膚
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皮膚原発性Adenoid cysticcarcinoma-症例報告と酵素組織学的, 電顕的検討
安部 佳子深井 和吉古川 雅祥中川 浩一濱田 稔夫
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1989 年 31 巻 2 号 p. 238-247

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抄録

皮膚原発性adenoid cystic carcinoma (ACC) の本邦第-例を報告した。自験例は74歳, 女性。20年来, 左臀部に拇指頭大の腫瘤有り。自覚症状のないままに放置していたところ, 急に発赤, 軽度の圧痛が出現した。組織学的に, cribriform patternを呈する胞巣が真皮全層に存在し, 神経周囲への浸潤も認められた。酵素組織学的に, phosphorylage (±), succinic dehydrogenase (++), acidphosphatase (-),β-glucuronidase (-)。電顕的に, 基底膜を有するpseudolumenと, microvilliを有するtrue lumenとが認められた。ほとんどの腫瘍細胞は基底細胞様であったが, 少数の三角形ないし菱型の細胞が混在していた。その分布は, alkaline phosphatase陽性細胞の分布に酷似していることから, この腫瘍とmyoepithelial cellとの関連が示唆された。また以上の結果より, 本腫瘍がエクリン汗管分泌部に由来することが示唆された。

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© 日本皮膚科学会大阪地方会
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