1995 年 37 巻 5 号 p. 544-548
β-プロッカー点眼液であるベントス®0.5%による右眼瞼のみの接触皮膚炎の1例を報告した。症例は60歳男性で, 生下時から両眼の緑内障があり左眼は義眼で右眼のみ点眼していた。パッチテストではベントスの主成分である塩酸ベフノロールに陽性を示した。点眼液中の防腐剤である塩化ベンザルコニウムに関しては0.1%pet. に陽性, 0.01%pet. に陰性であった。日本接触皮膚炎学会のアレルゲン0.02%Benzalkonium chlorideで再度パッチテストを施行したところ陰性であったので今回の陽性所見は刺激によるものと考えた。さらに, 他のβ-プロッカ-点眼液であるミケラン®, チモプトール®に関してはパッチテスト陰性であったのでβ-プロッカ-どうしの交差反応はなかったと考えられた。