1995 年 37 巻 5 号 p. 563-569
慢性骨髄性白血病患者のIFN-α 療法中に皮膚潰瘍を形成した1例を報告した。症例は24歳男性。平成5年2月にCMLと診断され, 11月よりIFN-α1日300万国際単位を両大腿部伸側に週7回交互に皮下注開始したが, 6カ月後左大腿部に皮膚潰瘍を形成したため当科を受診した。右大腿部伸側には紅斑と色素沈着が認められた。抗生剤内服外用や抗潰瘍剤外用, デブリードメント施行するも軽快しないため, 切除縫縮した。皮膚潰瘍は, 何らかの原因による刺激が誘因となり, その部位に頻回のIFNを投与することにより, NK細胞, 単球・マクロファージなどが活性化され, IL-1やTNFなどのサイトカインを産生し, 潰瘍形成へと移行したものと考えた。