皮膚
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当科における下肢静脈瘤硬化療法の治療成績と合併症の検討
久米 昭廣上田 清隆東 禹彦佐野 栄紀
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1995 年 37 巻 5 号 p. 643-650

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抄録

1993年10月より1994年12月までの15カ月間に, 36歳から81歳までの男女106肢の1次性静脈瘤に対して硬化療法を施行し, 倦怠感, 浮腫, 蚤痒, 疼痛, こむらがえり等の自覚症状の改善とともに, 欝滞性皮膚炎, 色素性紫斑などの皮膚病変に対しても非常に良好な結果を得た。合併症としては5カ月以上持続する色素沈着9肢, 水疱形成8肢, 血栓性静脈炎5肢, 皮膚壊死3肢などがあり, これらは治療開始当初のものが大部分を占め, 手技上の問題と思われた。深部静脈血栓症, 肺塞栓症などの重篤なものは1例もなく, 本法は皮膚科医が外来で安全に施行可能な有効な治療方法となり得, 皮膚科的治療法としても積極的に取り入れられるべきものと考える。

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© 日本皮膚科学会大阪地方会
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