1996 年 38 巻 2 号 p. 172-197
葡菌 (本稿で葡菌とあるのは, 断りのない限りすべて黄色葡菌を指す) 敗血症治療に用いられる抗生剤について, 1. 最低血中濃度とMICとの比, 2. MBCとMICとの比, 3. 殺菌速度, 殺菌能力と逆転現象, 4. 殺菌力の強さ, 5. PBP, 6. 血清蛋白との結合, 7. 併用, 8. PAE, 9. PAE期におけるSubMIC濃度の影響を述べ, 自験例, 諸家の実例を挙げて検討した。確実を期するならば, 1は6倍の値が必要であり, ペニシリン剤, セフエム剤, カルバベネム剤, VCMは, 頻回に分割して, 具体的には1日6回投与,(VCMは4回) 或いは持続点滴がよい事, CTRXは1日2g1発静注で治療可能な事を述べた。