皮膚
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カルバマゼピン (テグレトール) によるTEN型薬疹を生じたSLEの1例
椿本 章子島谷 育子大野 治彦宮川 幸子白井 利彦
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1999 年 41 巻 5 号 p. 547-551

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抄録

経過中に多彩な皮膚病変が出現するSLEの患者に, 水癒を伴う紅斑をみた。水疱型SLE, あるいはTEN型SLEを考えたが, SLEの活動性は低く, 皮疹出現11日前より, 三叉神経痛にたいし内服し始めたカルバマゼピン (テグレトール) 200mg/dayによる薬疹ではないかと考え, 内服を中止した。ステロイドの大量療法により皮疹は約1ヵ月で軽快した。臨床所見と皮膚生検の組織学的所見の結果, テグレトールによるTEN型薬疹と診断した。カルバマゼピン (テグレトール) は抗痙攣薬であり, てんかんや躁病, あるいは三叉神経痛に対し日常診療で用いられているため, 薬疹の報告は多い。しかし, SLEの患者に見られた報告は今まで我々の調べ得たかぎりではなく, 今回若干の考察を加えて報告する。

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© 日本皮膚科学会大阪地方会
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