皮膚
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経肝動脈腫瘍塞栓術施行による臍上部の有痛性紅斑の1例
斎藤 研二日下部 圭吾村田 洋三熊野 公子
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2000 年 42 巻 1 号 p. 49-53

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抄録
65歳女性。肝細胞癌に対して経肝動脈腫瘍塞栓術 (transcatheter arteria embolization: 以下TAE) が施行された。第1回右肝動脈からのTAEでは, 皮疹は生じなかった。肝左葉の腫瘍に対して左肝動脈からの第2回TAE施行3日後, 臍上部に水疱形成を伴う有痛性紅斑が出現した。紅斑は消退したが, 6ヵ月後瘻孔を生じ手術加療を要した。TAE時の動脈造影CTにて, 肝左葉を経て腹部皮下組織に達する肝鎌状靭帯動脈が描出されており, この動脈を介して皮膚合併症が発症しているものと考えた
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© 日本皮膚科学会大阪地方会
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