皮膚
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42 巻, 1 号
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  • 西嶋 攝子, 笠原 美香, 鈴木 健司
    2000 年 42 巻 1 号 p. 1-2
    発行日: 2000年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
  • 村山 淳子, 奥田 賢, 中林 康青
    2000 年 42 巻 1 号 p. 3-4
    発行日: 2000年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
  • 感作誘導相におけるリンパ節の重要性について
    南 祥一郎
    2000 年 42 巻 1 号 p. 5-10
    発行日: 2000年
    公開日: 2010/11/30
    ジャーナル フリー
    全身のリンパ節が欠損した遺伝性リンパ節欠損マウスALY/Nsc Jcl-aly/alyマウス (以下, alyマウス) を用い, 耳介腫脹を指標とした接触過敏反応 (以下, CHR) について検討した。その結果, alyマウスでは耳介腫脹は認められなかった。さらに, BALB/c AnNCrj nu/nuマウス (H-2d) 背部にalyマウス (H-2b) の皮膚を移植し, 同部の皮膚に感作を行い24時間後に皮膚所属リンパ節を摘出し解析したところ, Iab+細胞がリンパ節内に認められた。そのリンパ節内細胞をC57BL/6J Jclマウス (H-2b) に細胞移入すると, CHRの感作が成立することが判明した。これらの結果より, alyマウスは抗原提示の場であるリンパ節が欠損するためCHRが誘導できないものと結論した。
  • 西井 貴美子, 須貝 哲郎, 赤井 育子, 永尾 淳, 田水 智子
    2000 年 42 巻 1 号 p. 11-17
    発行日: 2000年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    1994年6月から1998年5月までの4年間にパッチテストを施行した症例のうち金属アレルゲンに陽性を示した症例のアレルゲン別陽性頻度と臨床的関連性について検討した。陽性頻度はコバルト14.0%(255/1, 825), ニッケル10.5%(192/1, 822), クロム9.0%(164/1, 819), 7.4%(102/1, 376), 水銀6.1%(109/1, 783) が上位を占めた。各臨床診断と陽性金属間の有意差を検討した所, 掌蹠膿疱症においてニッケルがコバルトより有意に高い陽性率を示した。パッチテスト結果と臨床症状との一致率は水銀が56.8%で最も低く, 他のアレルゲンと有意差を認めた。
  • 小山 知来, 神戸 俊夫, 石黒 綾子, 菊池 韶彦, 富田 靖
    2000 年 42 巻 1 号 p. 18-23
    発行日: 2000年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    アトピー性皮膚炎とMalassezia種の関与を検討するために, アトピー性皮膚炎患者42名 (男性24名, 女性18名) の血清中Malassezia (瀬特異IgE抗体の存在をWestern blot法により調べた)。
    男女いずれにおいてもM.globosaに対するIgE抗体陽性率が最も高く (60%), 次いでM.sympodialisに対する抗体が52%の患者で検出された。血清総IgE値CAP-RAST値Western blotのtotal intensity値の間にはいずれも有意な相関が認められた。なかでもCAP-RAST値とM.sympodialisに対するtotal intensity値に極めて高い相関 (r=0.906) が認められた。以上からアトピー性皮膚炎の増悪因子として, Malassezia種のなかではM.globosaが最も重要であり, またCAP-RASTの抗原がM.sympodialis由来であることが示唆された。
  • 土井 久生, 徐 信夫, 酒谷 省子, 草壁 秀成, 清金 公裕
    2000 年 42 巻 1 号 p. 24-30
    発行日: 2000年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    Hidroacanthoma simplexとmalignant hidroacanthoma simplexの各1例ならびにその免疫組織学的検討を報告した。症例1は36歳, 女性。左大腿屈側に径11mm×10mmの黒褐色ないし淡褐色の皮膚面より隆起する表面疣贅状の腫瘍があり, その中央部には直径4mmの半球状の腫瘍が存在していた。症例2は76歳, 女性。左大腿伸側に径15mm×5mmの紡錘形で辺縁不規則, 一部に痂皮を付着した赤褐色の腫瘍が存在していた。病理組織所見から, 症例1はeccrine poromaおよびhidroacanthoma simplex, 症例2はmalignant hidroacanthoma simplexと診断した。各々の症例に対し免疫組織学的検討をした。
  • 青島 敏行
    2000 年 42 巻 1 号 p. 31-34
    発行日: 2000年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    大津赤十字病院皮膚科を受診し, 菌要素を確認した爪白癬患者について病爪中の菌要素の存在部位を病理組織学的に検査するとともに真菌培養成績について病爪の採取方法及び培地の種類について検討した。病爪内の菌要素は7割が爪甲下層2/3に観察された。病爪の採取方法及び培地の検討では, リストンの爪切鉗子で採取し細切後5-FC添加白癬菌分離培地で培養した場合, 菌陽性率は80%と最も高く, 細切せずマイコセル寒天培地で培養した場合42.4%であった。一方, 病爪をグラインダーで削り取った検体での菌陽性率は5-FC添加白癬菌分離培地で32%, マイコセル寒天培地で8.8%と低下した。従って病爪はリストンの爪切鉗子で採取し細切後, 5-FC添加白癬菌分離培地での検査法が最も適切であると考えられた。
  • 足立 準, 毛利 有希, 庄田 裕紀子, 羽白 誠
    2000 年 42 巻 1 号 p. 35-38
    発行日: 2000年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    マキロン® による接触皮膚炎の2例を報告した。症例1:21歳, 女性。約1週間前より掻痒性皮疹が左耳のピアス装着部位を中心に出現し, マキロン® を使用していたが, 次第に増悪してきた。パッチテストの結果, マキロン® (as is) およびカインミックスに陽性を示した。症例2:81歳, 男性。2日前マキロン® を嵐径部の傷口に使用していたところ, 掻痒性皮疹が出現してきた。パッチテストの結果, マキロン® (asis) およびその成分の塩酸ジブカイン (1% pet) に陽性を示した。を使用していたが, 次第に増悪してきた。パッチテストの結果, マキロン® (asis) およびカインミックスに陽性を示した。症例2:81歳, 男性。2日前マキロン® を嵐径部の傷口に使用していたところ, 掻痒性皮疹が出現してきた。パッチテストの結果, マキロン® (asis) およびその成分の塩酸ジブカイン (1% pet) に陽性を示した。
  • 大澤 亨子, 鷲尾 文郎, 千原 俊也, 原田 晋, 堀川 達弥, 市橋 正光
    2000 年 42 巻 1 号 p. 39-43
    発行日: 2000年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    72歳, 男性。金属製の総義歯が原因と考えられた汎発性湿疹を呈した全身型金属アレルギ一の1例を報告した。貼試験でクロム, コバルトおよびニッケルに陽性所見が得られたが, 患者は皮疹出現の1年前よりクロム, コバルトを主成分とする総義歯を装着しており, この総義歯の装着中止, これらの金属を多く含む品の摂取制限, クロモグリク酸ナトリウムとミノサイクリン内服療法にて軽快した。
  • 古林 郁乃, 山本 純照, 宮川 幸子, 白井 利彦
    2000 年 42 巻 1 号 p. 44-48
    発行日: 2000年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    42歳女性。初診の2週間前より, 咽頭痛, 発熱, 筋肉痛, 紅斑を生じ, 紅斑は解熱時には消褪傾向を示した。臨床検査所見では, 好中球増加, CRP, フェリチン, IL-6の高値, 軽度の肝障害を認め, また, 腹部エコーでは軽度の脾腫を認めた。病理組織所見では真皮上層から中層の血管周囲にリンパ球の浸潤を認めた。以上の臨床所見, 検査所見及び感染症, 悪性腫瘍, 膠原病が否定されたことより, 成人Still病と診断し, NSAIDを1週間内服したが改善しないため, プレドニゾロン20mg/dayの投与を開始した。2週間ほどで症状, 検査値ともに改善を認め, 現在プレドニゾロン減量中であるが, 再発はみられない。
  • 斎藤 研二, 日下部 圭吾, 村田 洋三, 熊野 公子
    2000 年 42 巻 1 号 p. 49-53
    発行日: 2000年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    65歳女性。肝細胞癌に対して経肝動脈腫瘍塞栓術 (transcatheter arteria embolization: 以下TAE) が施行された。第1回右肝動脈からのTAEでは, 皮疹は生じなかった。肝左葉の腫瘍に対して左肝動脈からの第2回TAE施行3日後, 臍上部に水疱形成を伴う有痛性紅斑が出現した。紅斑は消退したが, 6ヵ月後瘻孔を生じ手術加療を要した。TAE時の動脈造影CTにて, 肝左葉を経て腹部皮下組織に達する肝鎌状靭帯動脈が描出されており, この動脈を介して皮膚合併症が発症しているものと考えた
  • 荒木 祥子, 櫻根 純子, 松本 千穂, 大和谷 淑子
    2000 年 42 巻 1 号 p. 54-57
    発行日: 2000年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    口囲, 外陰部の皮膚粘膜移行部および陰嚢に発症した塩酸ミノサイクリンによる固定薬疹の1例を報告した。
    64歳男性。感冒にてミノマイシン® を含む数種類の薬剤を内服した。翌日より口唇, 舌, 外陰部に浮腫性紅斑とびらんが出現し, 同時に発熱と眼球結膜の充血も認められた。尚, 2年前にもミノマイシン® を含む投薬にて同症状を認めていた。貼布試験はミノマイシン® 10-40%濃度で施行した。皮疹部, 健常部とも陽性であった。内服試験は塩酸ミノサイクリン1mg (常用量の100分の1量) で誘発した。眼症状や発熱を伴った点でStevens-Johnson syndromeとの鑑別を要した。
  • 松岡 縁, 中井 菜美, 多田 正憲, 西垣 敏紀, 尾上 幸子
    2000 年 42 巻 1 号 p. 58-62
    発行日: 2000年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    10歳, 男児。3歳よりてんかんがあり平成9年8月からゾニサミド (製品名エクセグラン®) を内服していたが, 発作の出現が続くため徐々に増量されていた。平成10年6月より全身の発汗減少を認め, 熱発も生じたため当院を受診した。初診時ゾニサミド600mg内服中で血中濃度は75. 3 (治療域10-30) μg/ mlであった。ゾニサミド大量投与による発汗減少と考え, 投与を中止したところ, 2日後から発汗を認めた。温熱性発汗を可逆的に抑制しており, その機序としてイオンチャンネルに対する薬理作用を考えた。抗コリン剤以外には同様の発汗障害をきたす薬剤はなく, 特異な副作用として注意を要する
  • 小川 基美, 山本 美由紀, 黒川 一郎, 楠本 健司, 岡村 明治
    2000 年 42 巻 1 号 p. 63-68
    発行日: 2000年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    84歳, 男性。10年前より高尿酸血症と診断されたが放置していた。1年前より両足趾に自覚症状のない多発性の結節が出現し, 増大したため当院を紹介され受診した。約4ヵ月間薬物療法のみで厳密な尿酸コントロールを行ったが, 結節は縮小せず自潰し, 歩行困難が生じたため外科的治療を行った。術後1ヵ月で創部は上皮化し独歩可能となり, 術後も結節の再発を認めず薬物療法にて尿酸コントロールも良好である。近年, 痛風結節に外科的治療を行うことは稀となったが外科的治療を適用し良好な結果を得たので報告する。
  • 杉原 昭, 赤松 浩彦, 堀尾 武
    2000 年 42 巻 1 号 p. 69-73
    発行日: 2000年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    64歳, 男性。約9ヵ月前より心窩部痛, 食欲低下, 体重減少を来たし, 近医にて胃癌を指摘され, 加療目的で当院第二外科へ入院した。顔面, 両側腋窩, 項部, 腰部, 陰股部の黒褐色色素沈着及び皮膚の粗造化, 両側手掌, 足蹠に絨毛様の角化が認められたため, 当科を受診した。項部からの病理組織検査では, 表皮の角質増殖, 乳頭状増殖, 基底細胞層にはメラニン色素の増加が認められた。臨床像, 組織所見より, 悪性型黒色表皮腫と診断した。根治術は不能であったため, バイパス術施行により経過観察中であるが, 皮疹に変化は認められていない。
  • 木下 久美, 伴野 純代, 新田 悠紀子
    2000 年 42 巻 1 号 p. 74-77
    発行日: 2000年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    19歳, 女性。10歳頃より顔面・左耳朶・両上肢に次々と骨様硬の皮下腫瘤・隆起性病変が出現した。他院にて2個, 当院にて4個が摘出された。いずれも組織診断は石灰化上皮腫であった。未摘出のものを含めると全身に9個と数多く多発していた。筋緊張性ジストロフィー等の全身性合併症やCa・P代謝異常はない。また, 母及び母方祖母に硬い皮膚良性腫瘍摘出の既往があり, 家族内発生も示唆された。
  • 櫻根 純子, 荒木 祥子, 松本 千穂, 大和谷 淑子
    2000 年 42 巻 1 号 p. 78-80
    発行日: 2000年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    66歳女性。4~5年前より右下腹部の茶褐色腫瘤に気付いたが放置していた。大きさは1.1×0.7cm大で自覚症状はない。HE染色にて真皮中層から下層にかけて比較的境界明瞭な腫瘍細胞塊があり, 個々の細胞は類円形ないし多角形で, 細胞質内にエオジン好性の顆粒を認めた。この顆粒はPAS染色 (+), ジアスターゼ抵抗性であった。腫瘍細胞はS-100 (+), NSE (+) であった。以上より自験例を神経由来のgranular cell tumorと診断した。
  • 村田 洋三, 高井 利浩, 熊野 公子
    2000 年 42 巻 1 号 p. 81-83
    発行日: 2000年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    25歳, 女性。1年来の左側頭部の約5mm大の結節を近医にて全摘出された。病理組織像から悪性腫瘍と考え, 拡大切除を行った。術後3年の現在まで再発, 転移を認めない。病理組織学的には表皮と連続し, 真皮から皮下組織にいたる多房性の上皮性腫瘍で, 比較的淡明でやや豊富な細胞質をもつ細胞からなる。腫瘍の中央部, 下部で太い膠原線維が増生し, 同部では腫瘍細胞は, 膠原線維の間に分け入って浸潤性に増殖する様に見える。このため当初は悪性腫瘍と考えたが, 異型性のないこと, 全体像が良性の構築をとることから, 最終的にはdesmoplastic trichilemmomaと診断した。
  • 満間 照之, 柴山 久代, 近藤 隆男, 原 一夫
    2000 年 42 巻 1 号 p. 84-87
    発行日: 2000年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    今回我々は48歳の女性に生じたspindle cell hemangioendothelioma (SCH) を報告した。初診の20年前より右踵部にドーム状に隆起した結節を認めた。その後徐々に大きくなり周囲に同様の小型結節を認め, 数も増加してきた。組織学的には真皮中層から深層に拡張した血管腔を認め, 血管内腔に向かって内皮細胞が乳頭状に増殖していた。間質にはepithelioid cellとspindlecellの増生が認められた。本症例をSCHと診断した。
    SCHは1986年に低悪性度の血管肉腫として初めて報告された疾患であり, 病理組織学的に海綿状血管腫とカポジ肉腫の両方の所見を持つ。最近では良性腫瘍もしくは反応性病変として認識されるようになってきた。
  • 松本 佳子, 杉浦 典子, 伊藤 由佳, 倉知 貴志郎, 小塚 雄民, 橋本 公二
    2000 年 42 巻 1 号 p. 88-91
    発行日: 2000年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    68歳, 女性。平成6年頃, 体幹に痒みを伴う紅斑が出現し, ステロイド剤の外用療法で軽快と増悪を繰り返していた。平成9年初診時, 全身に鱗屑を伴った楕円形の紅斑が散在し, 扁平浸潤期, Stage IIaと診断した。IFNγを投与し, 一時軽快したが, 再び増悪し, etretinate 40mg/日を投与開始した。皮疹は平坦化し, 3ヵ月で紅斑はほぼ消失した (PR)。平成11年1月よりetretinate内服は中止しているが, 明らかな再燃は認められない。
  • 岡本 玲子, 黒瀬 信行
    2000 年 42 巻 1 号 p. 92-96
    発行日: 2000年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    46歳, 男性。鹿児島県出身。HTLV-I associated bronchopneumopathyの経過中, 躯幹・四肢に播種性丘疹が, 続いて背部に環状紅斑が出現した。末梢血中に異型リンパ球を認め, 組織像では表皮・真皮に異型リンパ球が浸潤し, ポートリエ微小膿瘍も形成していた。末梢血リンパ球から抽出したDNAのサザンプロット法では欠損型のHTLV-Iプロウイルスのモノクローナルな組み込みを認めた。
  • 栗木 安弘, 佐藤 誠紀
    2000 年 42 巻 1 号 p. 97-100
    発行日: 2000年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    症例は66歳男性。初診時, 後頭部に剛毛を有する紅色腫瘤を認めた。頭部乳頭状皮膚炎と診断し, リザベン®, ミノマイシン®の全身投与およびステロイドの外用, 局注を施行したが腫瘤は増大傾向を示した。平成9年2月15日に局所麻酔下にて病変部の一部を切除し, 単純縫合した。
  • 船坂 陽子, 市橋 正光, 錦織 千佳子, 宮地 良樹, 上津 直子, 堀尾 武
    2000 年 42 巻 1 号 p. 101-111
    発行日: 2000年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    1999年4月から1999年9月の6ヵ月間に3大学病院の皮膚科を受診した光線過敏症などの患者51例に対し, 「ノブUVシールド」の臨床試験を実施した。
    本剤は紫外線吸収剤を含まず, 紫外線散乱剤として微粒子酸化チタンを, 保湿剤としてピアルロン酸ナトリウムとスクワランを, そして紫外線によって生じるとされる活性酸素への対応としてビタミンEを配合したSPF35PA廾のサンスクリーン剤である。4週間の使用試験において, 全症例51例中46例 (90.2%) に安全性を, 光線過敏症患者45例中40例 (88.9%) に有用性を認めた。また副作用は2例 (3.9%) に見られたものの, 使用中止により症状は軽快した。
    これらの結果から, 本試験に供した「ノブUVシールド」は安全で遮光効果が高く, 光線過敏症患者の皮膚を紫外線から保護する製品として推薦できるサンスクリーン剤と考えられる。
  • 横幕 敦司, 佐藤 円康, 佐藤 政弘, 三木 和之, 江川 真, 渡辺 靖
    2000 年 42 巻 1 号 p. 112-117
    発行日: 2000年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    主有効成分ペンタデカン酸グリセリド及び新規保湿剤コレウスエキスを配合した製剤の男性型脱毛に対する有用性を評価するため, 20症例を対象とした24週間の臨床試験を実施した。その結果, 毛髪所見 (抜け毛量の変化, 軟毛の発生, 軟毛から硬毛への変化) に基づく改善度評価では, 75%の有効率が示された。また, 拡大写真を用いた成長期毛数測定の結果, 前頭部生え際付近 (1cm2) の平均本数は37.3本から45.2本へと有意 (p<0.01) に増加した (増加率21%)。副作用は1例も認められなかった。以上の成績から本製剤は, 男性型脱毛に対して有用性の高い育毛剤であることが示された。
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