皮膚
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血清ECP値が病勢に相関して変化したepisodic angioedema associated with eosinophilia の1例
杉原 昭赤松 浩彦堀尾 武
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キーワード: 血管浮腫, 好酸球増多
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2000 年 42 巻 6 号 p. 571-575

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抄録

21歳女性, 平成10年11月下旬より両前腕に発赤, 浮腫の出現消退を繰り返し, 7kgの体重増加をきたした。血液検査所見では, 末梢血好酸球数の増多, 血漿IL-5値, 血清ECP値の上昇を認めた。また内部臓器には障害がなかった。病理組織学的には特異的所見は見られなかったが, 臨床所見, 血液検査所見より, episodic angioedema associated with eosinophiliaと診断した。ステロイド剤内服により症状は軽快し, 末梢血好酸球数の減少および血漿IL-5値は正常化したが, 血清ECP値については, 低下したものの依然として高値での持続が認められた。ステロイド剤の内服中止後, 散発的に浮腫が再発したが, その際, 好酸球数, 血清ECP値は再び上昇したが, 血漿IL-5値の再上昇はなかった。これらのことから, 本症では, 血清ECP値が好酸球数の増多, 浮腫の増悪などの病勢に比較的一致して変動する可能性がある。

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© 日本皮膚科学会大阪地方会
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