皮膚
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塩酸シプロヘプタジン (ペリアクチン®) による固定薬疹
田中 将貴矢鳴 英子堀 啓一郎
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2000 年 42 巻 6 号 p. 567-570

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抄録

7歳, 男児。1999年10月12日より上気道炎のため内服剤を5日間服用した。11月上旬に, 右前腕に水疱を伴った紫紅色の皮疹が出現し, 消退しにくいため11月29日に当科初診となった。その後1999年12月30日, 2000年1月31日にも内服薬を服用し, いずれも翌日には紫紅色斑が出現した。皮疹消失まで半月-1ヵ月を要し, 軽度色素沈着を残した。貼付試験はすべて陰性で, 塩酸シプロヘプタジンの内服試験では以前皮疹が見られた部位に紫紅色斑が出現し, これによる固定薬疹と診断した。抗ヒスタミン剤による固定薬疹は非常にまれである。また国内・海外ともに塩酸シプロヘプタジンによる固定薬疹の明らかな報告はなかった。

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