抄録
掌蹠の良性の色素斑 (先天性色素性母班6例, 後天性色素性母班29例) を有する35例に炭酸ガスレーザー治療およびQ-スイッチルビーレーザー治療を行い効果を判定した。炭酸ガスレーザーで治療を受けた19例中17例は完治し, 2例に僅かの色素の再発が認められた。この例は先天性色素性母班の症例であった。Qスイッチルビーレーザー治療を受けた16例中, 完全に治癒した症例は7例であった。一度治癒と判定された11例中4例に再燃が認められた。先天性色素母班の3例には無効であった。掌蹠の良性の色素斑は先天性色素性母班を含めて炭酸ガスレーザーで焼却するのがのぞましい。