皮膚の科学
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1 巻, 1 号
選択された号の論文の13件中1~13を表示しています
  • 井本 恭子, 山本 純照, 大上 明美, 山科 幸夫, 波床 光男, 白井 利彦
    2002 年 1 巻 1 号 p. 3-4
    発行日: 2002年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
  • 東田 敏明, 西嶋 攝子, 大島 茂, 鈴木 健司
    2002 年 1 巻 1 号 p. 5-6
    発行日: 2002年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
  • 最近の進歩
    金田 安史
    2002 年 1 巻 1 号 p. 7-14
    発行日: 2002年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    現在の遺伝子治療は当初考えられていたゲノムを治療するものではなく, 遺伝子を用いて欠損したり低下している機能を補う補充療法である。補充療法のメリットの1つは原因遺伝子が不明の場合でも病態解析が十分進んでおれば治療対象になりうるということである。その観点から, 従来, 癌, エイズ, 難治性の遺伝病といった疾患に限られていた遺伝子治療の対象疾患は, 疾病の分子レベルでの解析が進むにつれ, 一般の生活習慣病にもその範囲が拡大された。既存の技術でも効果が期待できる疾患も存在する。しかし未だ多くの難病は遺伝子治療の効果は不十分であり, 遺伝子導入ベクターの改良, 新たな導入技術の開発が必要とされている。
  • 鬼頭 昭彦, 本田 哲也, 大歳 えり子, 有馬 八重野, 森田 和政, 松村 康洋, 立花 隆夫, 宮地 良樹
    2002 年 1 巻 1 号 p. 15-18
    発行日: 2002年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    73歳, 女性。平成9年9月頃より左下腿にうっ滞性の潰瘍が生じ, 近医にて消毒剤と外用剤による局所処置をうけていたが改善しなかった。平成12年6月末に潰瘍の急性増悪を来たし, 7月3日に当科を受診した。潰瘍の増悪および治癒遷延に外用剤や消毒剤による接触皮膚炎が関与している可能性を考え, 種々の外用剤と消毒剤について貼布試験を施行したところ, 多数の外用剤に陽性反応を認め, 成分別貼布試験にて精製ラノリン, パラベン類, プロピレングリコール, 硫酸フラジオマイシンに陽性反応を認めた。貼布試験陽性製品および陽性物質を含有する製品の使用を避けて治療した結果, 症状は改善した。
  • 宮田 明子, 清水 隆弘, 喜多野 征夫
    2002 年 1 巻 1 号 p. 19-23
    発行日: 2002年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    43歳, 女性。平成8年11月よりGraves病でチアマゾール内服加療中であった。平成9年5月頃より右下腿の浮腫, 硬化, および多毛を認め両下腿, 右大腿まで広がってきたため当科受診した。初診時, 両下腿・右大腿の全周にわたって浸潤を伴う褐色斑を認め, 一部表面に鱗屑を伴っていた。また, 同部に多毛と毛孔の開大を認めた。組織検査のHE染色では, 真皮乳頭層を除く上層から下層に膠原線維の離開を伴う浮腫性変化と淡い好塩基性の物質の沈着が認められ, アルシアンブルーで青く, コロイド鉄で青緑色に染色された。以上より脛骨前粘液水腫と考え, 眼球突出, 骨関節症を伴っていることからEMO症候群と診断した。
  • 三軒 佳子, 前田 晃, 弓立 達夫, 荒金 兆典, 川田 暁, 手塚 正
    2002 年 1 巻 1 号 p. 24-28
    発行日: 2002年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    基底細胞癌は通常, 中年以降の人の露光部, 特に顔面に好発する上皮性悪性腫瘍である。我々は比較的若年者で基礎疾患のない人に生じた基底細胞癌の3例を報告した。症例1は27歳女性, スキンタイプJ-I。発症年令は17歳。症例2は32歳女性, スキンタイプJ-II。発症年令は20歳。症例3は36歳女性, スキンタイプJ-II。発症年令は25歳。症例1と3は黒色小丘疹, 症例2は潰瘍型の臨床像を示した。いずれの症例も組織学的にはsolidtypeの基底細胞癌であった。また全例とも既往歴で10代に屋外での長時間かつ長期間の日光曝露があった。若年での基底細胞癌の発症に日光が関与する可能性が示唆された。
  • 吉良 正浩, 田中 まり, 山村 弟一
    2002 年 1 巻 1 号 p. 29-32
    発行日: 2002年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    49歳男性。25年来, 右上口唇付近の腫瘤を放置していた。初診時, 右上口唇から鼻孔部にかけて, 20×28mm大の硬結腫瘤を認めた。組織学的には表皮直下から真皮にかけて密な結合織内に, 島状あるいは索状の小さな腫瘍細胞塊を多数認め, また, 大小多数の角質嚢腫を伴う腫瘍細胞塊も認めた。一部の腫瘍細胞塊は小さな管腔様の構造を呈していた。腫瘍は筋層にまで浸潤し, 神経周囲への浸潤も認めた。拡大切除術施行後3年を経過した現在, 腫瘍の再発, 転移は認めていない。
  • 細原 圭子, 喜多野 征夫
    2002 年 1 巻 1 号 p. 33-36
    発行日: 2002年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    86歳男性。平成12年3月より左こめかみ部に軽度疼痛を伴う小豆大の紅色結節が出現し, 徐々に拡大した。初診時, 左こめかみに約11.5×9.5×2mmの表面に糜爛を伴う紅色結節を認めた。皮膚附属器腫瘍, 有棘細胞癌などを疑い辺縁より2mm離して全摘出した。組織所見で表皮直下から真皮下層に, 異型性のある線維芽細胞様細胞と組織球様細胞が増生し, 異型巨細胞や泡沫細胞, 核分裂像も散見された。免疫染色ではビメンチン, α-SMA, サイトケラチンで陽性を示した。以上の結果より異型線維黄色腫と診断した。現在術後16ヶ月を経過しているが, 局所および全身に再発を示唆する所見は認めない。
  • 岸 達郎, 奥田 浩人, 高瀬 早和子, 堀口 裕治, 金田 大太, 尾崎 元昭, 岡 伸幸
    2002 年 1 巻 1 号 p. 37-41
    発行日: 2002年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    26歳, 男性。滞日インドネシア人。発熱, 倦怠, 浸潤を伴う紅斑, リンパ節腫脹を主訴に来院した。これらの症状に加え, 臨床的に四肢末梢の知覚低下, 末梢神経肥厚と, 組織学的に抗酸菌を含む肉芽腫および泡沫細胞と多核球の浸潤が見られた。らい性結節性紅斑を伴うLL型ハンセン病と診断し, クロファジミン, リファンピシン, ジフェニルスルホンの3剤併用による化学療法と, らい反応に対するステロイド剤の内服治療を開始したところ, 全身症状はすみやかに軽快し, 知覚鈍麻も徐々に改善した。本例では確定診断までにいくつかの施設を受診したが診断はつかなかった。四肢末梢の知覚低下と浸潤性の紅斑を示す場合は本症の可能性も考えなければならない。
  • 松村 康洋, 宮地 良樹
    2002 年 1 巻 1 号 p. 42-46
    発行日: 2002年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    成人型アトピー性皮膚炎の難治性顔面紅斑患者26名を, トシル酸スプラタストとタクロリムス軟膏を併用した群15名と, タクロリムス軟膏による単独治療群11名とに分類し, 治療開始10週目まで皮疹の程度, 好酸球数, lgE値, タクロリムス軟膏の使用量を指標に治療効果を比較した。その結果, 前3者については2群間に有意差は認められなかったが, タクロリムス軟膏の使用量は2剤併用群では顕著に減少し (併用群では2.0g/週-0.4g/週, 単独群では2.3g/週-1.2g/週), 10週目までにタクロリムス軟膏の外用を止めることのできた症例は, 単独治療群が11例中2例 (18.2%) であったのに対し, 併用群では15例中7例 (46.7%) であった。
  • 手塚 正, 遠藤 英樹, 磯貝 理恵子, 亀山 裕子, 杉原 和子, 上埜 剣吾, 藤井 真, 阪本 ゆり, 古賀 千律子, 矢島 あゆみ
    2002 年 1 巻 1 号 p. 47-52
    発行日: 2002年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    掌蹠の良性の色素斑 (先天性色素性母班6例, 後天性色素性母班29例) を有する35例に炭酸ガスレーザー治療およびQ-スイッチルビーレーザー治療を行い効果を判定した。炭酸ガスレーザーで治療を受けた19例中17例は完治し, 2例に僅かの色素の再発が認められた。この例は先天性色素性母班の症例であった。Qスイッチルビーレーザー治療を受けた16例中, 完全に治癒した症例は7例であった。一度治癒と判定された11例中4例に再燃が認められた。先天性色素母班の3例には無効であった。掌蹠の良性の色素斑は先天性色素性母班を含めて炭酸ガスレーザーで焼却するのがのぞましい。
  • 船坂 陽子, 薄木 晶子, 市橋 正光
    2002 年 1 巻 1 号 p. 53-62
    発行日: 2002年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    2000年4月から2000年7月の4ヵ月間に神戸大学医学部附属病院の皮膚科を受診した光線過敏症などの患者48例に対し, 「ノブ® UVスティック」の臨床試験を実施した。
    本剤は紫外線吸収剤を含まず, 紫外線散乱剤として微粒子酸化チタンを, 紫外線によって生じるとされる活性酸素への対応としてd-δ-トコフェロールを配合したSPF50, PA+++のスティック状のサンスクリーン剤である。4週間の使用試験において, 全症例48例中47例 (97.9%) に安全性を, 光線過敏症患者の全42例 (100.0%) に有用性を認めた。また副作用例はなく, 有害事象例として1例に塗布部位の紅斑をみたが, 一時使用中断後、4週間の継続使用ができた。
    これらの結果から, 本試験に供した「ノブ®UVスティック」は安全で, 光線過敏症患者の皮膚を紫外線から保護する製品として推薦できるサンスクリーン剤と考えられる。
  • 川嶋 利瑞, 清水 宏
    2002 年 1 巻 1 号 p. 63-66
    発行日: 2002年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    サンスクリーン剤「ノブ®UVローション」の安全性を検討するために, 2週間の使用試験とパッチテストを実施した。
    対象者は, 使用試験が化粧品による接触皮膚炎の既往をもつ者, 皮膚の乾燥を訴える者の計10例で, パッチテストが敏感肌と自覚する者, 接触皮膚炎の既往をもつ者, 乾皮症患者, アトピー性皮膚炎患者, 尋常性痙瘡患者および光線過敏症患者の計90例であった。
    本サンスクリーン剤は紫外線吸収剤を含まず, 微粒子酸化チタンを主とした紫外線散乱剤からなる遮光剤 (SPF23, PA++) であり, 色素・香料を含まない処方となっている。
    使用試験の結果は, 1例において塗布直後に軽い療痒感を認めたがその後問題なく継続使用でき, パッチテストにおいては本邦基準に基づいて判定した結果, 陽性例は1例もなかった。
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