埼玉医科大学雑誌
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症例報告
副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)単独欠損症における甲状腺刺激ホルモン-甲状腺ホルモン値異常: 3例報告
安田 重光和田 誠基鈴木 美穂皆川 晃伸北濱 眞司飯高 誠片山 茂裕
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2004 年 31 巻 2 号 p. 115-120

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抄録
 ACTH単独欠損症では,しばしば甲状腺ホルモン異常が合併するとの報告がある.本論文では副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)単独欠損症における甲状腺刺激ホルモン(TSH)-甲状腺ホルモン値異常に関して,コルチゾール補充前および補充後に評価し得た3 例に関して報告した.1例ではTSH値の顕著な上昇を認めるとともに甲状腺自己抗体の存在および特徴的な超音波所見から橋本病の合併と診断し得たが,その他の2例ではコルチゾール補充のみでTSH値上昇は低下し,橋本病の合併は否定された.我々は以前,本症のTSH高値がコルチゾール欠乏による分泌異常であり,生物学的活性を示さない可能性に関して言及したが,その後も本症に自己免疫性甲状腺疾患の橋本病による高度な甲状腺機能低下症を合併したとの報告は多い.本症での甲状腺機能異常は多腺性内分泌障害の可能性も考えられるが,コルチゾール欠乏が免疫応答に異常を来している可能性も否定できない.ACTH単独欠損症のみならずコルチゾール欠乏状態ではTSHや成長ホルモン値の高値を認める場合も多く,初診時に的確な診断は困難であり,それらはコルチゾール補充後に再評価し診断を導く必要があると考えられた.
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2004 埼玉医科大学 医学会
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