埼玉医科大学雑誌
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原著
足関節後果骨折に対する後外側アプローチ整復内固定術の治療成績
吉川 淳 鳥尾 哲矢加藤 進太郎岡田 信彦根本 学織田 弘美
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2019 年 46 巻 2 号 p. 65-75

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抄録
緒言:外果骨折や内果骨折に対する治療法はほぼ統一した見解が定着している一方,後果骨折に対する手術方法に関しては議論の余地が多い.三果骨折は両果骨折に比べて外傷性関節症の発症率が高く,その治療成績は明らかに劣っている.従来の手術方法はリガメントタキシスによる間接的整復と前方からのスクリュー固定が汎用されている.これに対して,近年は解剖学的整復を追求した後方アプローチによる直接的整復と後方からのプレート固定が散見されるようになってきた.本研究の目的は後果骨折に対する後外側と前方アプローチの治療成績を比較検討することである.
方法:対象は2007年4月から2018年6月までに後果骨折に対して整復内固定術を施行した33例(後方群16例,前方群17例)とした.調査項目は年齢,性別,受傷機転,AO分類,原口分類,後果関節面の骨片形態,外果骨折・内果骨折の有無,手術待機期間,後果・外果・内果・脛腓靭帯に対する固定方法,術者経験年数,手術時間,術中出血量,ターニケット使用時間,術後6ヵ月時におけるBurwell評価基準による治療成績,および術後合併症とした.
結果:患者背景に関しては両群間に統計学的有意差を認めなかったが,手術待機期間は後方群において有意に長かった(後方群11 ± 4.2 日,前方群7 ± 4.3 日,オッズ比0.7,p=0.025).Burwell評価基準による解剖学的整復率は後方群において有意に高く(後方群87.5%,前方群52.9%,p=0.036),自覚症評価と他覚評価に関しても後方群において優れた傾向であった(後方群87.5%,前方群58.8%,p=0.071).術後合併症に関しては,後方群において腓腹神経障害1例,前方群において創部感染1例を認めた.
結論:後果骨折に対する後外側アプローチ整復内固定術は,前方アプローチ整復内固定術と比べて解剖学的整復が得られやすく,良好な治療成績につながると考えられた.特に,後果骨片がdepression typeを呈する場合や手術待機期間が長くなる場合は後外側アプローチを適応すべきと考えられた.
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2019 埼玉医科大学 医学会
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