抄録
顎骨切除後の再建顎骨に対する顎義歯の使用は安定が得られにくく, 近年は, インプラントを用いた治療が応用される機会が多くなってきた. 2012 年からは, インプラントを併用した広範囲顎骨支持型装置に対する保険適用も開始されている. 再建顎骨にインプラントを埋入する場合, 骨構造や形態が正常な顎骨と大きく異なるため,理想的な位置にインプラントを配置し, その方向を制御することは困難となる. 本報告で使用したガイデッドサージェリーはこれらの問題を解決する有用なツールであり, これを応用したインプラント治療により長期に安定が得られた症例を経験したので報告する.
患者は, 46 歳男性. 当科にてエナメル上皮腫に対する下顎区域切除術と遊離腸骨移植による顎骨再建術を施行した. その後, 義歯による咬合再建を行ったが咀嚼困難を訴えたため, インプラントを用いた咬合再建を行うこととした. 治療はガイデッドサージェリーを用いて補綴主導でインプラントを埋入し, 審美的および機能的に良好な上部構造の作製が可能であった. 上部構造装着から 8 年経過するが腫瘍の再発を認めずインプラントも経過良好である.