バイオメカニズム学会誌
Print ISSN : 0285-0885
解説
胃腸粘膜の組織形成と細胞間結合(<特集>生体細胞・組織工学)
片岡 勝子
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1999 年 23 巻 4 号 p. 199-202

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抄録
胃腸粘膜表面は単層円柱上皮で覆われ,上皮細胞同士は連結複合体で結合されている.上皮細胞は内腔に垂直な軸で分裂し,分裂後も単層が維持される.個体発生途上,平坦だった粘膜に突起(腸絨毛)や陥凹(胃小窩・胃腺,腸陰窩)が形成される際には,上皮は一過性に重層状になる.この時,上皮内には二次連結複合体と上皮内腔が新生され,上皮内腔に垂直な軸でも細胞分裂が起きて細胞数が著しく増加する.そして二次連結複合体が伸びて隣の二次連結複合体と癒合し,次いで上皮内腔同士の癒合が起きる.同様に上皮内腔と胃腸内腔も癒合する.そして結合組織が分け入って,ふたたび上皮を単層にするとともに,突起や陥凹のある粘膜が形成される.
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© 1999 バイオメカニズム学会
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