バイオメカニズム学会誌
Print ISSN : 0285-0885
解説
生体材料を用いた組織工学(<特集>生体細胞・組織工学)
筏 義人
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1999 年 23 巻 4 号 p. 215-220

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抄録

生体組織や器官が大きく損傷したときの今日の治療法である人工臓器と臓器移植を補う新しい治療法としての再生医学についてその概要を紹介した.この再生医学治療のキーワードは,細胞とバイオマテリアル(生体材料)と細胞成長因子の三つである.細胞は新組織の再生のために,当然,必須である.バイオマテリアルは,その細胞の増殖と分化のための足場となる.さらに,細胞の足場としてだけではなく,再生の場の確保や再生組織の形態決定のためにも重要な役割を果たす.細胞成長因子は組織再生の促進に用いられる.本小文においては,この再生医学の現状と課題について簡単に解説した.

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© 1999 バイオメカニズム学会
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