抄録
ボタン押し課題についての実験を20名の健常者を対象に実施し,学習過程を明らかにした.ボタン押し課題とは,ディスプレイ上を移動するターゲットが指定枠に入ったらボタンを押すというものである.ここでは,情報獲得と予測の機能を測定・解析するため,ターゲットが移動の途中で表示されなくなる消滅課題とボタンを押してからターゲットが止まるまでに一定の遅れがある遅延課題を学習課題とした.実験においては誤差データだけでなく視線データも測定し,視線の移動パターンと学習の関係について検討した.その結果,消滅課題と遅延課題における学習効果は,視線移動の方法の変化と強く結びついていることが推察された.