抄録
本研究の目的は,一般的に行われている2 種類の後方宙返りの身体の回転方略を比較することであった.男子大学体操競技者9 名(身長:1.66±0.03[m],体重:61.2±3.8[kg],年齢:20.1±1.9 歳)を対象に,異なる離地高からのかかえ込みと屈身の後方宙返りを行った.身体重心まわりの角運動量,離地時の身体重心の鉛直速度,空中局面の慣性モーメントの変化について検討した.その結果,慣性モーメントの大きさは離地高によって調節され,慣性モーメントの変化のタイミングは空中姿勢に応じて調節されていることが明らかになった.つまり,慣性モーメントの変化と大きさが後方宙返りを成功させるための重要かつ方略的なパラメーターであることが考えられた.