抄録
筆者は野球選手やコーチと接する機会が比較的多く,現場でのニーズを聞くことが多い.「どういう動作にするとパ
フォーマンスが向上しつつ障害が防げるのか?」「動作をいろいろと変化させたときに,その結果がどうなるのかをすぐ見たい」といったニーズに応えるためには「投球動作シミュレーション」が必要になる.しかし,「解析結果をすぐに見られる」という即時性のあるシミュレーションはこれまでは困難とされており,現場で使うことは難しい.そこでこうしたニーズに近づけるべく,筆者らが開発してきた「身近に投球動作シミュレーションを行う」技術を紹介する.