2021 年 45 巻 1 号 p. 44-49
本研究の目的は,片脚立位バランス能力の観点から,足趾の働きが第 1趾と第 2~ 5趾で異なるのか,明らかにすることである.片脚立位中の足圧中心( COP;center of pressure)加速度と各足趾荷重との相互相関関数のピーク値とそれが発生する遅れ時間を変数としたクラスター分析を実施した.第 1趾と第 2~ 5趾では,以下の異なる働き,すなわち, COPの内外側方向移動に関して,第 1趾は COPを足の外側に移動させる働きを,第 2~ 5趾は COPを足の内側に移動させる働きを持っていた.一方,COPの前後方向移動に関して,全ての足趾は COPを後方に移動させる働きを持っていた.