抄録
本研究では,高さの異なる障害物の跨ぎ動作における後行肢クリアランスの調整機構を検討した.健常若年男性18 名
を対象に三次元動作解析を用いて高さの異なる障害物の跨ぎ動作を計測した.結果,障害物前縁クリアランスと最高点クリアランスは一致しないが,障害物前縁到達時点で最高点に近い高さまで挙上されることが判明した.さらに,障害物前後の足部接地位置は一定に保持されることが確認され,これが後行肢の接触回避に寄与している可能性が示唆された.本研究の結果は,障害物回避戦略に関する理解を深めるとともに,転倒予防における臨床応用の指針となることが期待される.