抄録
この数年来,組織ぐるみの不正など企業による不祥事が次々と発覚し社会に大きな影響を与えてきた.組織ぐるみで不正行為容認に至る過程は複数考えられるが,本研究では,会議など話し合いで用いられる決定手続きに注目した.具体的には,慣習的な手続きで利用され得る<多数派>の形成と,その案件採択率への影響について数値シミュレーションにより探索的に検討した. <多数派>形成に大きく関わる要因として,特にメンバーの発話態度,決定ルールおよび集団サイズを取り上げ,状況に応じた適切な手続きおよび対策について論じた.