抄録
本論文では,会話型知識プロセス支援技術の概念的枠組みとそれを実現するための技術について述べる.社会技術研究をネットワーク時代を象徴する動的で複雑な知識創造として位置づけ,現代社会における知識創造に伴う種々の困難を克服するための概念的枠組みとしてコミュニティ知識プロセスを提案し,その要件を示す.次に,社会における相互理解・知識共有・合意形成をシームレスに支援し,運用するための基本コンポーネントとして,映像コミュニケーションツールVMIS,会話エージェントシステムEgoChat,参加型自動放送システムPOC,政策論議支援システムCRANES,及び,それらを統合する枠組みとしての統合的コミュニケーションツールS-POCの概要を述べ,今後の展望を示す.