社会技術研究論文集
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研究論文
主観的な職業威信とPro-social行動
消防官をサンプルに用いた検討
堀 洋元鎌田 晶子岡本 浩一
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2005 年 3 巻 p. 118-127

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抄録

ある職業に就く人それぞれが職業に感じている誇らしさを主観的な職業威信といい,主観的な職業威信を高く保つことによって組織内の違反防止が促進されると考えられる.本研究では,消防官を対象として取り上げ,彼らの主観的な職業威信について検討した.研究1では消防官の主観的な職業威信を探索的に検討し,一般市民との結びつきが誇りの高さに影響を与える可能性を示した(n = 73).研究2では,消防官の主観的な職業威信の構造が一般有職者のものとは異なることを示し,さらに,主観的な職業威信の高さが組織におけるPro-social行動(組織のためになる行動)と関連することを示した(n = 187).これらの結果から,高邁な職業意識が違反防止に活用可能であることを提言する.

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© 2005 社会技術研究会
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