抄録
以上の結果をまとめると、対称積空間S^NR^<24>上のopen string理論のspectrumを知る為に分配関数の生成関数を計算した結果、指数の肩に一体系の分配関数が乗った形となった。これは場の理論において真空のFeynman diagramを足し上げると指数の肩に一粒子既約なdiagramが乗った形で表されることに対応する。よって対称積空間上のopen string理論のspectrumはunoriented open/closed stringの多体系と等価であると結論づけられる。すなわち、"Open string on S^NR^<24>←→SO(2^<13>)open/closed string field theory"という対応が明らかになった。今後の研究の主な課題は以下のとおりである。まず相互作用の問題がある。この定式化における相互作用はopen stringの端点を入れ替えるoperatorのみで記述されるが、これがconsistentに理論に導入できるか否かは明らかではない。次に、ここではNeumann型境界条件を持つopen stringのみを考えたが、Dirichlet型境界条件に対応する理論がD-braneの多体系を如何に記述できるかを考える必要がある。さらに、"Open Matrix String Theory"を構築するには、この定式化の超弦理論版を考え、(1+1)次元の超対称ゲージ理論との対応を調べる必要がある。