素粒子論研究
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天体核反応における直接核反応過程からの寄与(基研研究会「微視的核反応理論による物理」,研究会報告)
勝間 正彦
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2012 年 119 巻 4B 号 p. E163-E171

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抄録

本研究会では、比較的軽い原子核が関与する天体核反応の研究うち、ビッグバン元素合成反応と天体内部で起こる核反応の数例を報告し、直接反応過程からの寄与を検討する。直接反応過程を記述する模型として、最も単純な歪曲波ボルン近似(DWBA)を用いる。具体的には、^3H(d,n)^4He,^3He(d,p)^4He,^3He(t,d)^4He,^8Li(p,α)^4He,^<19>F(p,α)^<16>O反応の結果を示す。一般的に複合核模型が適用されることが多い極低エネルギー領域だが、非共鳴成分やいくつかの共鳴に関しては、比較的簡単な反応メカニズムが成立する直接核反応模型での解析が可能かもしれないことが例示される。

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© 2012 著者
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