抄録
π-N散乱に現われるOverlapping DivergenceをSalamの方法で分離した残りの有限部分をcouplingの展開によらず、積分方程式の解として求める方法に就いて述べる。最近Levyも同じ立場から発散を分離し有限部分を求める積分方程式を出しているが、彼の積分方程式には未だ発散する積分が含まれているので、実際問題に適用するのには困難があるように思われる。§3で我々の方法を述べ、§4で我々の方法とSalamの方法とを比べて、我々の方法がSalamの方法を忠実に実行することを積分方程式の形に於て行っていることを示し、§5でLevyの方法と比較し検討する。