抄録
本研究では,寺院による介護者カフェに参加している地域包括支援センターや社会福祉協議会等の
公的支援機関のスタッフに半構造化面接を行い,地域包括ケアシステムの視点から語られた寺院によ
る介護者カフェの潜在的可能性や効果について検討した.介護者カフェを開催している寺院13件か
ら紹介された地域包括ケアに関わる公的機関(地域包括支援センターや社会福祉協議会,NPO 等)
のスタッフ14名に半構造化面接を実施した.面接では,介護者カフェに参加したきっかけ,介護者
カフェでの役割,介護者カフェで得られる情報,介護者カフェの効果,寺院以外で開催している介護
者カフェや家族会との違いについて尋ねた.逐語を熟読し,寺院や僧侶,介護者カフェに関する評価
について語られた言説を抜き出し,階層的にコード化し主題分析を行った結果,21の小カテゴリー
と4つの大カテゴリー(社会資源としての寺院,寺院・僧侶の強みを活かした寺院,地域に開かれた
親しみのある寺院,公平な寺院)に集約された.結果から,寺院が地域包括ケアシステムに接合でき
る可能性が示唆された.