抄録
ヒトの咀嚼時の頬の働きを調べる目的で, 双極の表面電極を用いて成人被験者の咀嚼時の頬筋EMGを導出した. 咀嚼試料にはゼラチンを主成分とするグミ, およびチューイングガムを用いた. 咀嚼時の頬筋筋活動を咀嚼側と平衡側とで比較すると, 咀嚼側の方が平衡側に比べて著しい筋活動を示した. ガム咀嚼時とグミ咀嚼時の頬筋筋活動を比較すると, ガム咀嚼ではほぼ一定の大きさの筋活動を維持したのに対し, グミ咀嚼では咀嚼の進行に伴い, しだいに減少した. 本研究で認められたこれらの頬筋筋活動と咀嚼時の頬の働きとの関連について考察した.