2000 年 9 巻 2 号 p. 65-71
本研究は同じ素材で硬さが異なる食べ物 (米飯) を咀嚼し嚥下した場合と咀嚼することなく嚥下した場合の心拍数・エネルギー消費量・体熱産生・体熱放散・呼吸比から検討し, 咀嚼の効果を見出すことを目的とした. この結果, 咀嚼することによって心拍数やエネルギー消費量は上昇するが, 硬さの違いによる差異はなかった. しかし, DITやR. Qでは, 普通に炊いた米飯を十分に咀嚼することに効果があり, DITを高く維持して糖質からのエネルギー転換を求める必要がある場合 (減量時) は硬い米飯を咀嚼することが有効であることや, 食べ物を咀嚼することなく, 嚥下することは望ましくないことが示唆された.