2019 年 39 巻 2 号 p. 85-93
研究目的は、山梨県内4高校の2013年度に入学した生徒を対象に3か年に亘り実施した自殺予防教育の成果の縦断的検討である。データ収集には、一年目教育後、二年目教育前後、三年目教育前後の5時点で、生徒が受講した自殺予防教育を「普段の生活に役に立つ」ととらえた程度を4件法で評定回答し、そう回答した理由を記述できるような質問紙を用いた。
結果は、自死遺族の体験談を教材とした三年目教育後の肯定的回答率に注目した。A校93.8%、B校87.6%、C校87.8%、D校72.5%で、教育前より20.9~30.3ポイント増加した。理由の上位は[自殺予防の対処法を活用したい]、[いい話が聞けた・いのちの大切さを学んだ]、[自殺予防の対処法を活用してみよう]で、自殺予防への意欲や志向性の向上が見られた。