2009 年 42 巻 4 号 p. 225-237
紅麹がパンの組織と色調に及ぼす影響について,組織観察,力学特性および色調を測定して検討した。紅麹の粒度が大きく添加量が増すほど気泡壁面の損傷が大きく,気泡も小さくなり,小孔も多数観察された。紅麹の粒度が大きく添加量が増すほど無添加に比べて比容積は小さく,パンの硬さは増し,凝集性は低下した。遮光保存したパンの色調の変化はほとんど認められなかったが,紫外線照射したパンでは,色調の変化が著しかった。官能評価の結果,0.5%および1.0%紅麹添加パンは,6項目すべてにおいて高く評価され,「味」では2.0%紅麹添加パンにおいても高く評価された。