社会政策
Online ISSN : 2433-2984
Print ISSN : 1883-1850
研究ノート
ターミナル期の多職種連携における福祉職の役割と職種間関係に関する考察
―福祉職・看護職・介護職への聞き取り調査を踏まえて―
角 能高橋 幸裕
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2020 年 12 巻 2 号 p. 125-132

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抄録

 本稿は,ターミナルケアにおいて,福祉職が,職種間の権力関係の現状をどのように認識し,どのような職種間関係を志向しているのか,以上を踏まえてどのような制度を望んでいるのかに焦点を当てて考察する。

 結果を見ると,生活支援と健康管理,治療医学のバランスを同時に考慮することが求められるターミナル期においては,3者に通じた看護職による調整役割を重視している。一方で医師との強いつながりゆえに看護職が健康管理による生命の保持に偏重し,生活支援を後回しにすることが懸念される。そのため医師も含めた医療職が生活支援を看過しないように働きかけることが福祉職の役割と考えられている。他方で福祉職の医療職に対する苦手意識から,生活支援の取り込みのためには,チームケアの中での働きかけのみでは限界がある。そのため権力関係において優位に立つ医師の診療報酬の引き上げという制度化による,生活支援の場への参画が志向されている。

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