本稿は,介護テクノロジーをケアの倫理の視点から捉え,考察するものである。将来の介護システムの持続性を考えるとき,問題を人材不足や財政問題による「生産性・効率性の向上」だけに収斂させるのではなく,生を支えるケアの価値の持続性という観点からテクノロジーの活用を検討していく必要があるのではないかという問題意識から出発する。そして,介護テクノロジーをケアの文脈の中に位置付けるうえで,ケアの価値を体現するテクノロジーをイリイチの「コンヴィヴィアリティのための道具」理論が示唆的であること,高齢者の生活全体を包括的に捉える必要があること,介護テクノロジーの福祉ガバナンスを検討すべきであること,普遍的かつローカルなテクノロジーという視点から誰もがケアしケアされる関係を築く持続的な社会が構想できることを示す。