社会政策
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Print ISSN : 1883-1850
「参加所得」構想の検討
志賀 信夫
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2015 年 6 巻 3 号 p. 98-109

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抄録

本稿の目的は,Atkinsonの提案する「参加所得(Participation Income)」について,その意義と問題点について整理し,この提案の更なる可能性について論述することである。Atkinsonの「参加所得」の意義について論じた先行研究は既にいくつかあるが,Atkinson自身がそのような提案に至った背景から整理している研究はほとんどない。本稿では,このような背景から整理していくものである。このような理論的整理によって,まず,Atkinsonの「参加所得」提案の積極的意義を論じ,次にこれをふまえてその提案が孕む問題点の原因について検討する。「参加所得」の孕む問題点については,既に先行研究によって示されているが,本稿では一歩進んでそのような問題点を生じさせる原因について追究している。この追究は,「参加所得」構想という提案を否定するものではなく,この提案に更なる広がりと理論的可能性を与えようとする試みである。

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© 2015 社会政策学会
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