社会政策
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人事労務管理の生成 : アメリカと日本
木下 順
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2016 年 7 巻 3 号 p. 113-128

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抄録

本稿の目的は人事労務管理の生成についての諸研究を整理することにある。そのために本稿は二つの作業を並行して行っている。第一に,高度成長以後の人事労務管理のあり方を20年ごとに三区分したうえで,第三期すなわち現地点の様相を明らかにする。第二に,人事労務管理の代表的な作品を,対象国をアメリカと日本に限定したうえで,この作業に沿って紹介しコメントする。本稿の問題意識は次のようなものである。1975年から1995年までの時期-先の三区分の第二期-は,社会科学において,現在から見れば例外的な時期である。戦前から第一期までは,欧米を手本とした近代化を課題として,「日本とは何か」を問うていた。それが,例外的な第二期をはさんで,いま再び問われている。今度は単純に欧米を手本にするのではない,自生的な研究が必要とされる。本稿はこの点を意識しながら,諸研究の意義を取り上げた。

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