抄録
ITプロジェクト遂行上の管理として, プロジェクト管理を構成している主な対象領域は, 進捗管理, 問題管理, 変更管理およびリスクマネジメントである。そこで, これらのプロジェクト管理全般については, 実践的な管理技法と仕掛けであるPMIS(Project Management Information System)について基礎理論およびメソドロジーと位置付けについて, 2000年度春期研究発表大会で「グループウェアによる実践的な管理技法」として統合プロジェクト管理ツールCPMT(Consolidated Project Management Tools)を用いたプロジェクト管理技法について発表した。また, その続編で問題管理と変更管理の実際のプロジェクトへの適用方法と考慮点について, 2000年度秋期研究発表大会で「問題管理の実践的なプロジェクト管理事例」および2001年度春期研究発表大会で「変更管理の実践的なプロジェクト管理」として発表した。本論文では, 前大会の続編として進捗管理に焦点を当て, ITプロジェクトにおける進捗管理の基本的なツールであるEV分析を用いて, タイムマネジメントおよびコストマネジメントをいかに効果的に行うにはどうすべきかということについて述べる。この仕組みへはIBMだけではなく, お客様, 業務委託会社にも参画してもらい, 共通認識を持つためのコミュニケーション・ツールの位置付けを含め, 実践的かつ効果的なPMISとして活用している。これから初めてプロジェクト管理を経験される方や, 既にプロジェクト・マネジャーとして活躍されている方で, 即に役立つ進捗管理技法とPMISを探している方へ最適な解決策を示す。