抄録
近年のプロジェクトにおいては, 情報ネットワーク・システムを活用した業務遂行が普及してきている。この情報システムの活用は, 分散化形態によるプロジェクト遂行も可能としている。この様な遂行形態でのプロジェクト管理は, 状態が変化していくエンジニアリング情報をリアルタイムに管理・統制していくことが重要となる。一方, 情報ネットワークのオープン化は, サイバーテロなどの外部侵入による情報の改竄などにより, プロジェクト遂行に多大な被害を及ぼす潜在的リスクを内在している。そこで, 本報告においては情報ネットワーク活用の健全性を確保すべくプロジェクトの特性を反映した情報セキュリティ・モデルを提示した。このモデルは, 侵入経路の認証を分析するネットワーク側のモデルと, 変更管理対策を主体としたプロジェクト側のモデルからなる。異常伝播はETAを用い, 異常の原因同定にはFTAを適用した。この両者を組み合わせることにより, セキュリティ・システムの評価が可能となる。