抄録
ヒエラルキーパラダイムによるプロジェクトマネージメントが一般的に行われているが, 自律分散的なプロジェクトオペレーションの可能性を検討した. 全体最適と部分最適の観点と, オペレーション形態から, 自律分散を三種類に分類し,その特徴を分析した. 自律分散オペレーションは, プロジェクトメンバの活力を引き出し, 複雑な問題も現場からの視点で木目細かく対応できることが分かった. プロジェクトは西洋的なヒエラルキーパラダイムに基づいたオペレーションが好ましい様に思えるが, 従来からある日本的な「場」のパラダイムによるオペレーションも有効であることを提唱している. また, この場のパラダイムによるプロジェクトオペレーションは, ヒエラルキーパラダイムに基づいたオペレーションと両立すると思われる.