抄録
インデントシステムの形態でありながら、類似システムとして同時平行で複数システムを開発した時のプロジェクトマネージメントの実例を紹介する。本開発は通常なら標準システムをきちんと開発してから、ユーザ要求に基づき、カスタマイズしていくのが常套手段であるが、諸般の事情により標準システムなしで10システムに近い数のユーザ向けの開発がすべて同時となった。開発内容、開発規模ともに初めての経験で、リスク管理を強化しながら適宜、適応的に施策を実施し、プロジェクトの進行を図った。本プロジェクトで用いた開発形態は上流工程と試験以降の下流工程に大きく分けられる。特に上流工程ではソフトウェアの一元管理に集中しながら、開発メンバーが最大効率を引き出せるような施策を行った。一方、下流工程では分散開発的なアプローチを採用し、ソフトウェアの一元管理を維持し、問題点情報の共有が可能な仕組みをプロジェクト運営中に先行して構築した。この仕組みを各システムが現地に入っても利用できるように整えて、システムとしての品質を確保し、無事カットオーバーを迎えた。