抄録
ソフトウェアプロセス改善には、大きく分けて、2種類のアプローチがある。CMMI(Capability Maturity Model Integration)のようなプロセス改善モデルをベースにしたものと、組織の問題をベースにしたものである。問題ベースの場合は、問題そのものが議論され、改善アプローチが特定されるため、効果的であるが、実際に実施してみると、現状の真の問題が何であるかが、なかなか特定できないことが多い。そこで、今回の改善活動では、過去の教訓を活かすと共に問題解決手法を適用し、効果的な問題の抽出方法を考案した。適用の結果、効果的な問題抽出のためには、知識創造理論が深く関与することがわかった。