抄録
日立ソフトでは,全社的にCMMIによるプロセス改善運動を実施中である.その中で,プロジェクトがプロジェクト計画で決められたプロセスを遵守して実施されているかを,第三者(品質保証部門)が監査し,プロセスの不遵守に起因するトラブルを防止する「プロセスQA」に力を入れている.本論文では,プロセスQA指摘がなかった場合に発生したと想定されるトラブルの予想損失工数を算出することで,プロセスQAのマネジメント支援による効果について分析を行った.その結果,プロセスQAを実施にはリスクが問題点として顕在化するのを未然に予防する効果があり,対費用効果として6.3〜9.8という高い値を取ることがわかった.