抄録
筆者らは,組込みソフトウェアの要求分析と設計のフェーズにおいて品質作り込みを行うため,ERVM(Eamed Requirement Value Method)を拡張し,QFDによるシステム要求のトレーサビリティに着目した品質管理モデルを検討した.現在,組込みソフトウェア開発プロジェクトの分野では,要求分析と設計に関する品質の問題が重要視されている.そのため,システム開発の要求分析と設計のフェーズにおいて,充分に品質を作り込まなければならない.要求分析と設計のフェーズにおいて品質を作り込まなければ,実装フェーズにおいて手戻りが発生し易く,最終的にシステム稼動時に障害が発生するといったプロジェクトの失敗に陥り易い.本稿では,今回検討した品質管理モデルを考察し,今後の研究課題を述べる.
