抄録
PM人材の育成について各所で悩みをかかえている.現在のプロジェクトには,短納期化,低コスト化が強く求められており,従来機能していたOJTによる育成も指導する人材と時間の観点から限界が垣間見られる.PMには,個々の状況に対して決断を要する局面が多数存在し,単なる関連知識の獲得でこの課題が解決するものではない.PMとしての根本的な考え方やあるべき行動について,身につけることが大切になる.メンタリングは,メンターから多くの示唆を享受することにより,知識に限らずノウハウの継承やコンピテンシーの獲得を促す最適な技法であると考える.本稿では,メンタリングのより効果的な実施スキームと効用について考察したい.