抄録
「製品実現プロセスの品質」は「仕組み(事業部の品質マネジメントシステム)」と「実行(仕組みに従ったプロジェクトの日々の実務)」の良し悪しにより決まると考え,プロセス品質を仕組みと実行の両面から評価する品質経営評価技法を開発してきた.本報告では,品質経営評価技法の適用(9事業部門の仕組みと,同部門で進行中の72製品開発プロジェクトの実行を評価)を通じて得られた,業種別(ハードウェア製品系,ソフトウェア製品系)の評価結果の比較分析について述べる.(1)各事業部門には独自の先進的な仕組みがあること,(2)その先進的な仕組みは相互に活用して有効であること,(3)優れた実行は特定のプロジェクトに集中して発見されること,(4)本技法で複数プロジェクトの実行レベルを平均値とバラツキの形で定量的に表現できること,などの結果を得た.